森林の散策は楽しいものですが、残念ながら、誰もが手軽にできるわけではありません。日本で「森林浴」と呼ばれているものは、屋外に出て自然と親しむことを促すため、1982 年に誕生した国民健康プログラムです。(アメリカの哲学者ソローは自著『ウォールデン 森の生活』で唱えています)。森林浴の効果は科学でも立証されてきました。実際に、森林浴はストレスホルモンを減らし、免疫系を活性化させるという研究結果があります。 多くの研究結果により、自然の中で過ごすことと、記憶力、注意力、集中力、衝動抑制、気分などの認知機能の健康との関連性が示されています。 ですから、もし森の近くに住んでいるならば、今すぐにでも頻繁に森を訪れることをお勧めします。

とはいえ、緑から遠く離れた都市部に住んでいる方は、日常的に森の中を散歩することはできません。

それならば、園芸をしてみてはどうでしょう? 屋外に出て土の感触を楽しむ機会が増えます。それだけでなく、園芸には、集中力、忍耐、そしてミハリー・チクセントミハリイ博士が言うところの「フロー」が求められます。つまり、脳にも良いということです。フローとは、とても楽しく、夢中になれ、しばしば時が経つのを忘れるような状態です。

余裕があり、可能な場合には森の中を散策するようにしましょう。 ソローはこう言っています。「私たちには野生の刺激が必要だ。人間には自然が足りない」