厚生省の調査は、独り暮らしの5 人に 1 人以上が 2 - 3 日に 1 度しか人と話す機会がないと報告しています。

独り暮らしをしている人がすべて孤独なわけではなく、孤独な人がすべて独り暮らしをしているわけではありません。

ですが実は、孤独感は認知症の発症リスクと関連があります。

では、孤独感の強い人とそうでない人の違いは何でしょうか。孤独を強く感じる人は、TV を見る、インターネットを使う、食べるといった一人でできる行動を好む傾向があります。一方、孤独感の少ない人は、友人と会話する、外出して人と会う、家族と交流するというようにして、孤独を紛らしています。また、高齢者の場合は、趣味の集まりに参加したり、町内会などの地域活動に参加したりする人の方が孤独を感じないようです。

孤独感に影響すると思われる要素の 1 つとして、高齢になってからの引っ越しがあります。45 歳以上で同じ場所に 20 年以上住み続けている人は孤独を感じる可能性が最も低く、10 年以内に引っ越しを経験した人は孤独を感じる可能性が最も高いと考えられます。だとするなら、引っ越しをしたばかりの場合や、地域的な交友関係を新たに築く必要に迫られた場合は、どうすればよいでしょうか。

知らない人と出会って新しい交友関係を築くためのヒントをご紹介しましょう。

1. 趣味のグループに参加する

共通の趣味があれば、会話のきっかけになり、話もはずみます。編み物、鉄道、マラソン、料理などの同好会をインターネットや地域の掲示板などで見つけることができます。みんなが直接会って活動している地元のグループを探しましょう。

2. 健康を維持する

運動は、脳の健康に良いだけでなく、社会的な交友関係を育てる上でも有効です。

マラソン同好会や体操教室に参加してみましょう。体を動かすのが得意ではない場合や、運動を制限されている場合でも、諦めないでください。ウォーキングや、イスに座ったままでできるヨガなど、比較的ゆっくりとした軽い運動もあります。

3. 仕事を続ける

職場の仲間と家族のようなつながりを持っている人はたくさんいます。定年退職後も週に 1 - 2 日程度働けば、社会的な交流を維持することができます。

4. 会話のきっかけを見つける

知らない人に話しかけるのは気後れするかもしれませんが、そのようなことも、たまには必要です。自分が読んだことのある本を公園などで座って読んでいる人を見かけたら、話しかける絶好のチャンスです。本の感想をたずねてみましょう。