あなたがスーパーに着いて、さぁこれから買い物をしようと思ったとき、何を買おうとしたのかさっぱり思い出せなくなってしまったことはありませんか? そのときの気持ちには名前がつけられるべきです。私たちはそれを忘れっぽさと呼びますが、この特別な感情はそれとは別ものです。それは物忘れ、プラス混乱、それに加えてイライラや欲求不満、そして落胆が合わさったものです。ここでは「食料品健忘症」と呼んでおきましょう。
買い物リストを暗記してみたことはありますか? 買い物リストの暗記は、ばかげていると感じるかもしれません。何故なら、家を出て買い物をするのは、なにかを購入する目的があるからで、買うものは当然覚えているはず、と思うからです。しかし「食料品健忘症」は誰にでも起こります。
次にスーパーマーケットに行くときは、買い物リストに書いたものを記憶しましょう。というのも、この戦略には、あなたが買おうとする食品を思い出すのに役立つだけでなく、あなたの脳を向上させることを示唆する、いくつかの科学的根拠があるからです。単語リストと食品の一連を記憶することは、脳トレの一種です。
このような脳トレは、認知的予備能、または認知症とアルツハイマー病に関連する神経細胞(ニューロン)の変性によって引き起こされる行動変化に対して抵抗力を高めます。買い物リストを覚えることを習慣にすれば、買い物をするたびに脳を鍛えることになります。また、この習慣のおまけとして、家のトイレットペーパーが切れてしまうこともなくなるでしょう。