長期間、ストレス下にあると認知症の危険性が高まります。「ストレスがない人なんていない 」と思うかもしれません。誰でもストレスを感じるときはあります。ただ、ストレスにうまく対処できる人とできない人がいます。

ストレスに対処する力が認知症のリスクを抑えるカギとなります。人によって対処方法は違うかも知れませんが、瞑想がストレスの軽減に役立つとされています。瞑想は脳にどのような働きをするのでしょうか?

瞑想では「いま」の瞬間、この場所、この感覚に一定時間意識を集中させます。瞑想することによって、集中力と自分の感情をコントロールする力が高まります。研究の結果、具体的には「マインドフルネス」という瞑想方法によって、瞑想中に脳の働きと構造が変化することがわかっています。

マインドフルネスでは「いま、この瞬間」の感覚に意識を集中させます。また、浮かんでくる考えや感情に対して判断をせずに受け止めるようにします。

瞑想中、脳内では前頭前皮質、内側嗅皮質、尾状核の 3 つの領域の活動が活発になることがわかっています。これらは、自己認識、意識のながれ、集中力をコントロールする領域です。

瞑想が脳にもたらす変化を科学的に解明するにはまだ時間がかかると思いますが、瞑想をすることで引き起こされるリスクが少ないことはわかっています。瞑想には心拍数と血圧を下げる効果があります。心拍数と血圧も認知機能に影響を及ぼす要因です。何から始めたらいいのかわからない場合は、まずは瞑想に取り組むきっかけとして、CD を聴いたりスマホやタブレットで動画や音声番組、無料のアプリを使ってみても良いでしょう。無料または低料金のクラスや体験会もあるかもしれません。