不眠症の治療法として最もよく知られているものは睡眠制限療法です。手軽にできるものではなく、数週間を必要としますが、深刻な不眠症に悩まされている人にとっては、まさに救いの手となる可能性があります。深刻な不眠症に陥っていない場合でも、睡眠制限療法の発想は試してみる価値があるでしょう。
その方法とは、規則正しい睡眠を心がけることによってより深い睡眠を得られるようにするというものです。たとえば、ある晩は午後 10 時に就寝し、別の晩は真夜中に就寝し、起床時間はバラバラというような睡眠習慣は禁物です。
睡眠制限療法は、体内時計をリセットして安定した深い睡眠をもたらします。具体的な方法は、以下のとおりです。
普段の睡眠時間がどのくらいかを把握します。そのためには睡眠時間を記録する必要があります。1 週間の睡眠時間を記録し、合計時間を 7 で割って平均を求めます。睡眠制限療法の実施期間中は布団やベッドに入っている時間がこの平均時間を超えないようにします。
起床時間を決めます。毎日同じ時間にしてください。
起床時間から逆算して就寝時間を割り出します。たとえば、ひと晩の平均睡眠時間が 6 時間であり、起床時間が午前 6 時の場合は、午前 0 時に就寝します。夜更ししたり早めに床に入ったりせずに、時間を守るようにしましょう。
うまくいく場合はそのまま習慣付け、寝不足だと感じる場合は睡眠時間を 1 週間に 15 分ずつ増やしていきます。