社会活動への参加は、認知機能と精神衛生の改善と関連性があると考えられています。ある研究では、社会活動に参加している高齢者は、より健康で長生きをしていることがわかりました。実際に、社会活動への参加は、アルツハイマー病をはじめとする認知症から脳を守る保護因子と考えられています。逆もしかりで、孤独感は認知機能の健康に悪影響を与え、うつ症状を引き起こす可能性があります。

つまり、社会的なつながりを深めることで認知機能低下のリスクを防ぐ可能性が出てくるのです。 周囲の人々と関わることで、認知機能にもたらすリスクを予防できるかも知れません。 家族や友人や同僚などだけでなく、社会と関わることで健康によい影響がでるという科学的根拠も報告されています。

話が少し難しくなりますが、インターロイキン-6 または IL-6 と呼ばれるタンパク質は、様々な細胞によって作り出されます。 これは体の免疫の一部で、体内での炎症に関係があります。アルツハイマー病の患者の脳内では、IL-6 の値が上昇していることが確認されています。ですが社会活動など、人と関わりあることへの参加は、IL-6 の値と何らかの関係があるとある研究で報告されました。

社会的つながりを深めることで認知機能低下のリスクを低下できるかも知れません。 昔の友人や同級生とつながるだけでなく、お孫さんや親戚ご近所の方々、あるいはジムの仲間などともつながり、認知機能の健康を維持しましょう。社会的つながりを深めることは、脳の健康に良いだけではなく、やる気がでたり、よく寝れるようになるなど、心身に良いことがたくさんあります。うつの症状や睡眠不足は、認知症のリスクを高めます。 積極的に社会に参加し、うつの症状を軽減し、上質な睡眠を取り、認知症のリスクを下げる努力をしてみましょう。

現在、社会的孤立を感じる人が増えています。社会交流に多くのジレンマが生じる時もありますが、そんな時こそ、工夫をして社会に積極的に参加してみませんか? 家族や友人とチャットや電話をして、楽しく脳を活性化しましょう。