誰でも、怖い話題や不安に思うような話題はなかなか話しづらいものです。認知症およびアルツハイマー病は怖い病気で、積極的に話したいという人はいないでしょう。自分自身や家族、友人などの認知機能が低下することなど誰も考えたいとは思いません。
しかし現実に目を向けると、アルツハイマー病の患者数は毎年増えています。
今までに家族や友人と認知症やもの忘れについて話したことはありますか? かかりつけ医や医療関係者とはどうですか? 米国では、90% 近くの人が記憶の混乱やもの忘れを経験した場合にアルツハイマー病の疑いがないかどうかを知りたいと回答しています。 一方で、認知症の可能性について医療機関に相談したことがあると回答した高齢者層は、およそ半数にとどまっています。
認知症について知っておくべきこと
アルツハイマー病および認知症の症状が表れるのはゆっくりで、気づかないことも珍しくありません。症状が進む速さも人それぞれです。多くの場合、初期段階では普段の生活に変化が見られません。最初のうちは、友人の名前が出てこなかったり車を停めた場所を思い出せなかったりといった、短期的な記憶障害を経験します。
症状が進んでいくと行動面に障害が表れはじめ、ものごとをまとめたり計画したりする能力に障害が出るようになります。この段階の分かりやすい例としては、自宅への帰り道がわからなくなることや、いつも作っていた料理のレシピを思い出せなくなるといった症状があります。最終的にはほとんどの記憶があいまいになり、自分の身の回りのことすらできなくなってしまいます。
認知症の初期段階で見られる兆候は?
家のカギをなくしたり車を停めた場所を忘れたりするといった経験は誰にでもあるでしょう。
しかしアルツハイマー病の兆候と症状は、単なるもの忘れよりも深刻です。アルツハイマー病の初期段階では、以下のような兆候や症状が見られることがあります。
日常生活に支障があるレベルのもの忘れ
ものごとを順序だてて計画することが難しい
作業を最後までやり遂げることが難しい
時間や場所を認識できない
画像を見ても理解できない
言葉が出てこない
モノを決まった場所に戻せない
判断力が損なわれる
引きこもるようになる
性格が変わる
家族や親しい人とアルツハイマー病や認知症について何をどう話せば良いのか分からない場合は、まずは自分が対処できるリスク要因について話してみてはどうでしょうか? 例えば、認知機能が低下しないように食事の内容を見直した話や、ストレス発散のために運動を始めた話などであれば、話しやすいのではないでしょうか。