脳と身体、そのどちらにおいても健康を維持することは、認知症のリスクを軽減したり、発症を遅らせることを可能にする最善の方法であると言えます。 しかし、ダイエットをする、体を鍛える、外国語を勉強するといった目標に挑戦した経験がある人なら、生活に大きな変化を取り入れるのは思った以上に難しいことがわかるはずです。
実は、習慣科学の分野では、より大きな変化に挑戦するほど継続が難しくなる傾向があると言われています。
たとえば、メタボリック症候群 (心臓病、脳卒中、および2型糖尿病のリスクが高い症状のグループ) の人たちの食生活の改善に関する実験として、グループごとに異なる方法を試すというものがありました。あるグループは、食生活を変えて飽和脂肪を減らすとともに、食物繊維を増やすように指導されました。もう1つのグループは、毎日摂取する食物繊維の量を増やすことだけを求められました。実験の結果、体重と飽和脂肪の減少はそれぞれのグループでほぼ同じでした。ただし、食物繊維に専念したグループの方が簡単に食生活の改善を生活に取り入れて維持できたことが確認されました。
つまり、すべてを一度に変えるのは容易ではないということです。まずは無理のない小さな目標から始めましょう。そうすれば最終的には大きな成果が得られるはずです。