あまりのストレスで、ちょっとしたパニック状態に陥ったことはないでしょうか。心臓が口から飛び出そうなほどドキドキしたり、掌が汗でびっしょりになったり、何か恐ろしい事が迫っているような危機感に見舞われたことがあるかもしれません。
極度の不安が引き金になってパニック発作を起こす人もいます。パニック発作を経験したことがなくても、それがどれほど恐ろしいものかは想像がつくでしょう。その種のストレス反応は体に良くありません (あるいは、認知力低下のリスクにつながります)。
ストレスが長引くと、認知力低下のリスクは約2倍になると言われています。 また、慢性的なストレスは、認知症の危険因子である循環器系疾患のリスクを高めます。ストレスが心的外傷、身体疾患、またはケガからの回復の妨げになる場合もあります。
ストレスが良くないのは明らかですが、ストレスを減らすことは必ずしも容易ではありません。生活費を稼ぐ必要のある人は、ストレスの多い仕事でも辞めるわけにはいきません。通勤に時間がかかっても、義理の親と同居しなければならなくても我慢するしかありません。では、ストレスの原因を解消できない場合には、どうすればよいでしょうか。
運動しましょう。
ストレスは免疫システムの変化をもたらしますが、研究によると、運動は、ストレスが免疫システムに与える悪影響を防ぐことができると示唆されています。免疫システムは認知症を引き起こす可能性のある炎症性変化から脳を保護するので、免疫システムの強化は認知力の強化にもつながります。 また、運動は、長期的なストレスに伴うことが多い不安感や鬱状態を抑制するのにも役立つものと思われます。
しかし、運動が不安感の解消に役立つとしても、ストレスに悩んでいる最中に運動を始めるのは容易なことではありません。前もって運動する習慣を身に付けておけば、ストレスにさらされた場合にうまく対処できるようになります。予防薬のようなものだと考えてください。