私たちの体は複雑な機械のようなもので、食べ物を燃料にして動いています。その仕組みは、大変興味深いものです。脳の視床下部、脳幹、迷走神経が連携してさまざまなホルモンが作用することで、「何を」「いつ」食べるのかをコントロールしています。

一般的な機械と同じように、私たちの体にもオンとオフを切り替えるスイッチがあります。例えばいつ何を食べるのかといった食欲は生物の本能的な欲求ですが、生活習慣や文化・風習によってコントロールすることは珍しくありません。 お腹は空いていないのに夜中にDVDを観ながらついついお菓子を食べてしまうことや、まったく美味しくなくても健康に良いという理由で緑黄色野菜のスムージーを飲んでいるという人もいるでしょう。

このように食欲を見てみるだけでも複雑だと思いませんか?

私たちの食習慣は、以下のさまざまな要因に影響を受けています。

  • 味の好み

  • 習慣

  • 食材が入手しやすいかどうか

  • 食べものに対する考え方と姿勢

  • 自分の健康状態

  • 家族や友人の食習慣

  • ストレスとその対処法

  • 文化・風習に基づく行動規範

  • 宗教に基づく行動と休日

  • 一人暮らしかどうか、家族構成

  • 食べものの思い出

  • 食品のマーケティング

自分には関係ないと思う人もいるかもしれませんが、人間は自分が思っているよりも社会要因と環境要因の影響を受けているものです。ある調査では、全体の 3 分の 1 の回答者が自分の食習慣は周りの人たちの影響を受けていると回答しています。

食習慣を見直す場合、自分は何を食べ、何を食べないのか。その判断基準を考えてみると良いでしょう。職場で食事をとることに気恥ずかしさを感じることがありますか? 周りに人がいるとなぜ気恥ずかしいと思うのか、その理由を理解できれば、職場で食べるものに体に良いものを取り入れることができます。昔からの家の習慣で、日曜日の夕食を腹八分目以上に食べていませんか? もしそうなら、来週の日曜日に食べる量をおさえられる方法を考えましょう。

自分の食習慣を左右している要因はわかったけれども、なかなか習慣を変えることができないですか? 心配ありません。科学的根拠に基づくいくつかの方法があります。

  • 目標は長期目標と短期目標の両方を立てることです。例えば、「明日の朝食でイチゴを食べる」、「1 週間外食をひかえる」といった目標です。

  • 食べたものを毎日記録する。何を食べたのかを記録することは、いつ、何を、なぜ食べたのかを知るために役立ちます。

  • 周りに協力してもらう。 例えば MIND 食の食事法に友人を誘ってみましょう。

  • 何かを食べたいというストレスを感じたときの対処法を決めておく。今度何かを食べたいというストレスを感じたら、この対処法で乗りきりましょう。

質の良い栄養素を摂ることも大切で、短期間で高い効果を期待できます。この 24 時間に食べたものをリストに書き出してみましょう。次に、なぜそれを選んだのかという理由を書きます。食べものを選ぶパターンが見えてきたら、どうすればもっと体に良いものを選ぶことができるのかが分かり、食習慣を変えていくことができるでしょう。