認知機能の健康を長く維持するためには、上質な睡眠は欠かせません。睡眠の重要な役割をいくつかご紹介いたします。

記憶: 脳には毎日大量の新しい情報が入ってきます。睡眠中にどの情報を覚えておくべきかを脳が選択し、将来に備えて記憶の引き出しにしまうのです。

脳内老廃物の除去: 脳内に蓄積されたアミロイドβ と呼ばれるアルツハイマー病の原因のひとつであるタンパク質は、睡眠中に他の有害毒素と共に洗い流されていることがわかっています。1 晩でも睡眠が不足すると、脳内にアミロイドβ が蓄積されるリスクがあります。

認知機能: 睡眠は知覚、記憶、学習、思考、判断などの高次脳機能にとても重要です。睡眠時間が7時間未満になると、これらの機能の低下がみられます。睡眠習慣を改善することで、認知機能低下のリスクも軽減できます。

心の疲れの回復: うつ症状と不眠症には深いつながりがあります。睡眠不足はうつ症状を誘発し、悪化させる可能性があります。ある研究によると、規則正しい睡眠習慣は、うつ病のリスクを軽減することがわかりました。うつ病と認知症にも深いつながりがあり、正しい睡眠習慣がより重要となります。

疲労回復: 睡眠不足は体に負担をかけてしまいます。数時間の短い睡眠では、血圧、心拍数、甲状腺ホルモン、ストレスホルモンのコルチゾールを上昇さてしまいます。 また、睡眠不足は、認知機能低下リスク要因である肥満と糖尿病にも影響を与えることがわかっています。

睡眠の専門家は「睡眠衛生」 と呼ばれる、よく眠るための工夫を推奨しています。暗く静かで、また適温の心地よい睡眠環境を作って上質な睡眠を促進しましょう。就寝前の 1 時間前には、手元の携帯電話などの電源を切り、脳に眠りやすい環境を作ってあげましょう。起床時間、就寝時間を同じにすることも大切です。週末もできるだけ同じ時間に起床し、上質な睡眠をとって睡眠不足から脳を守りましょう。